新型テルペン環化酵素の網羅的発掘を起点とした未踏生合成情報の集積

研究者紹介

研究代表者
佐藤 努
新潟大学
自然科学系

研究概要

本研究ではテルペンの環状骨格多様性創出を担う環化酵素(TPS)が関係する未踏の生合成情報を数多く集積する。申請者は前回の公募研究において、酵素の立体構造の類似性というこれまでにない角度から、TPSの探索を開始した。その結果、構造モデルに基づくゲノムマイニング(Structural Model Based Genome Mining: SMBGM)が配列相同性や既存のモチーフをもたない新型TPSを発見するための有効な手法であることを示すことに成功した。前回は268種の放線菌ゲノムに限定したが、今回は全ての生物種のゲノムを対象にすることで網羅的に新型TPSを発掘し、そのホモログやクラスターの解析も行う。また、SMBGMでも同定できない立体構造類似性のない新型TPSを効率的に発見できる新しい理論系手法の開発にも取り組む。これにより、「予知」や「創出」の基盤となる生合成酵素遺伝子情報の質と量を確保し、本学術領域の推進に大きく貢献する。