A01-3 潜在機能覚醒技術を⽤いた微⽣物由来新規ペプチド化合物の開拓

研究者紹介

研究代表者
丸山千登勢
福井県⽴⼤学
生物資源学部

研究分担者
長谷部文人
福井県立大学
生物資源学部

研究概要

本研究課題では、特に、ペプチド系化合物の構造多様性に着目し、ペプチド化合物やその構成分子である非タンパク性アミノ酸(NPAA)の生合成に関わる新規生体触媒の情報の集積に注力する。
微生物ゲノム情報からペプチド系化合物やNPAAの生合成遺伝子群を導き出し、詳細な触媒機構の解明から、⽣合成予知システムの構築に向けて、ウエットな生体触媒情報を提供する。
また、生理活性試験やゲノムマイニングによる探索では見落とされてきたペプチド化合物を発掘する方法として、以下、2つの研究課題に取り組む。 ひとつは、微生物由来ペプチド化合物の網羅的探索を可能にするMALDI分析法を確立し、分析データの比較解析プログラムをA02班と共同で開発し、微生物由来ペプチドの発掘と、その精密機能解析や構造基盤の解明により、未知の生体反応を集積し、機能予測へと繋げる。
もうひとつは、微生物が生産する天然中分⼦ペプチドに網羅的細胞膜透過性改善を適用し、新たな生理活性の覚醒と発掘にチャレンジする。スクリーニングにがん細胞への毒性試験を指標とすることで、新規生理活性ペプチド化合物の発掘だけでなく、がん細胞における分子標的に関する情報も集積する。
これらの情報を、A02班、A03班と共有することで、生合成予知システムの構築と、より有用なペプチド化合物の論理的創製を実現する。