フェアリー化合物の生合成・代謝メカニズムの解明

研究者紹介

研究代表者
崔宰熏
静岡大学
農学部

研究概要

フェアリーリング(fairy rings、妖精の輪)は、芝が輪状に周囲より色濃く繁茂し、枯れた後にキノコが発生する現象である。申請者らは、世界に先駆けてフェアリーリング現象の原因物質であるフェアリー化合物(Fairy Chemicals; FCs)を発見し、FCsは植物にも内生し、非生物的ストレス耐性を植物に与え農作物の増収をもたらすことを明らかにした。以上の知見から、FCsは新しい植物ホルモンである可能性が高いと考え、研究を追求しているが、フェアリー化合物の生合成メカニズムの未解明の部分が多い。申請者は研究を進めていく上で、FCsは様々な生物に内生し、生物共通プリン代謝を介して生合成・代謝され、様々な生物活性を有することから、「FCsは植物ホルモンを超え、生物共通ホルモンである」という仮説を検証することにした。FCs生合成・代謝関連遺伝子の同定をすることは、生物全般に重要な生理的役割が解明できることから、本研究では、様々な生物における①FCs生合成メカニズム解明と②データマイニングによる代謝メカニズム解明を目的とする。