A01-1 構造多様性⼀挙構築型⽣体反応の集積・予知・創出

研究者紹介

研究代表者
葛山智久
東京⼤学大学院
農学生命科学研究科

研究分担者
小川哲弘
東京⼤学大学院
農学生命科学研究科

研究分担者
吉田彩子
東京大学大学院
農学生命科学研究科

研究概要

本計画研究では、微生物由来の新規テルペン合成酵素と、微生物由来の新規ポリケチド合成酵素を主な標的として集積し、生物有機化学的、生化学的、構造生物学的に解析することで、未踏の天然有機化合物を取得する。計算科学の手法を駆使して、遺伝情報や構造情報を機械学習等の処理技術で解析することで、未利用の天然有機化合物の構造や生合成経路を理論的に予知するシステムを構築する。このシステム構築により、これまでの「探す」天然物化学から「創る」天然物化学の実現に向けて、飛躍的な展開を図る。

テルペノイドやポリケチドなどの天然有機化合物は、生物内での挙動解明のみならず、創薬への応用などの観点から非常に重要な研究対象である。それらの天然有機化合物の生合成酵素の触媒反応を制御するためのプログラムは、それらのアミノ酸配列(元は遺伝子配列)によって決定されているはずである。遺伝子配列に書かれた触媒反応プログラムを読み解きながら、基質と反応産物を高精度で予測(予知)する方法論を確立し、その予測器を開発することが本研究の目的である。また、既存の方法では解析が追いつかず、解析されぬまま爆発的に蓄積し続ける未利用資源とも言うべきゲノム情報から未知の天然有機化合物の配列情報を情報科学的アプローチで効率的に抽出して集積し、それら天然有機化合物の生合成機構を解明するとともに、さらに生物合成の手法で未踏の天然有機化合物の人工的な生産(創出)を可能にすることも目的としている。