A03-1 中分子アルカロイド群の化学―酵素ハイブリッド合成

研究者紹介

研究代表者
大栗博毅
東京大学大学院
理学系研究科

研究分担者
佐竹真幸
東京大学大学院
理学系研究科

研究分担者
谷藤涼
東京大学大学院
理学系研究科

研究概要

A03班の大栗らは、7連続の酵素反応と化学合成による官能基変換を融合した化学―酵素ハイブリッドプロセスにより、複雑な五環性骨格をわずか1日で構築することに成功しています。
本研究では、多環性アルカロイド群の生合成に着眼し、化学―酵素ハイブリッド合成プロセスの適用範囲拡大・スケール向上を実現するとともに、酵素によるピンポイント酸化や光反応と連携したプロセスを開発します。このアプローチにより、中分子制ガン剤や非ペプチド性医薬品リードを簡便かつ迅速に創り出せることを実証します。
A01班と協力して連続的酵素反応・環状付加反応・レドックス型反応等を集積化し、複雑な中分子群を迅速・簡便に合成するプラットフォームを開発します。A02班と連携して生合成酵素反応の位置・立体選択性制御の知見を蓄積し、適切な基質と主生成物を予見する基盤を整備していきます。単純な合成基質から中間体を単離せずに縮環骨格を迅速合成する in vitro 酵素合成と基質や中間体を合理的に改変できる有機合成の利点を相乗的に活用できる生物合成科学を展開します。骨格・立体化学・電子密度を多様化した基質群と局所的な改変を施した酵素群とを活用して、シミュレーションよる予知と実験的な検証を積み重ねます。非ペプチド性医薬品候補中分子群を創り出すハイブリッド型生物合成における戦略の提案と体系化を進めます。