A03-2 新規ペプチド修飾酵素の機能拡張による大環状複雑骨格の創出

研究者紹介

研究代表者
脇本敏幸
北海道⼤学大学院
薬学研究院

研究分担者
松田研一
北海道大学大学院
薬学研究院

研究概要

天然物には大環状骨格を有する化合物が多数存在し、それらは生合成酵素によって極めて効率的に合成されています。そこで本研究では自然界に備わった環化酵素をもとに酵素工学、指向性進化を駆使して、機能改変を試み基質特異性の広い環化酵素を開発し、汎用性の高い大環状中分子製造技術を確立します。ペプチド固相合成法に環化酵素を組み合わせることで効率的な大量合成手法を実現し、さらに合成生物学手法を駆使して多様な人工環状分子の合成プラットフォームを確立します。環状ペプチドの生合成経路には環化産物に対する多様な修飾酵素が存在します。それらを開拓し、機能解析を試みることで、新たな修飾酵素を開拓し、効率的な大環状骨格の多様性拡大を実現します。ペプチドやポリケチドの大環状化は活性配座の固定や消化酵素に対する抵抗性など、鎖状構造に比較して有利な物性を付与することができるため、本研究成果は中分子医薬品リードの修飾戦略の基盤技術を提供します。