A03-4 反応性の高い置換基を持つアミノ酸を利用したペプチド構造の多様化
研究者紹介
研究代表者
勝山陽平
東京⼤学大学院
農学生命科学研究科
研究分担者
小笠原泰志
北海道大学大学院
工学研究院
研究概要
微生物の生産するペプチド性化合物は有用な医薬品資源である。近年、コストと特異性を両立可能な医薬品として中分子創薬が注目され、再びその有用性が認識されている。一方で、その骨格改変は必ずしも容易ではない。そのため、酵素改変などのバイオテクノロジーによりこれらの構造を改変する技術は極めて重要である。我々は近年、ジアゾ基含有アミノ酸 (6-diazo-5-oxo-L-norleucine, DON) から作られるトリペプチドであるalazopeptinの全生合成経路を世界に先駆けて明らかにした。ジアゾ基は反応性の高い置換基であり、温和な条件で特異的に修飾が可能である。そのため、ジアゾ基を天然物の構造中に自在に組み込むことが可能になれば、天然物の構造多様性を拡張させる足場とすることができる。そこで、我々は機械学習と進化工学、分子動力学計算などを組み合わせた酵素改変により天然物合成酵素群にジアゾ基取り込み能を付与する方法論の開発を目指す。ジアゾ基含有化合物生合成酵素群を創出し、それらを異種発現することで様々なジアゾ基含有天然物の微生物生産の実現を目指す。さらに本生産系と有機化学合成、人工酵素を組み合わせ、ジアゾ基など反応性の高い置換基を起点とした超効率的な「非天然型」天然化合物ライブラリーデザインの方法論を構築する。