既存の手法では見出せない天然物生合成遺伝子クラスターの予知と精密解析

研究者紹介

研究代表者
堤隼馬
北里大学
感染制御科学府

研究概要

天然物生合成遺伝子クラスター (BGC) は天然物の合成を担う遺伝子群である。そのため、BGCを見出すことが天然物探索や生合成解析において非常に重要であり、様々なBGC解析ツールが開発されている。しかし、既存のBGC解析ツールはペプチドやポリケタイド系天然物のBGCなどを見出すことを得意としているため、これらのツールでは見出すことが困難なBGCも多く存在している。さらに、これらのBGCには、既存の生合成とは異なる天然物の生合成機構を触媒する酵素が存在している可能性が考えられ、これら開拓することで、新たな天然物生合成機構を見出すことにつながると考えられる。本研究では先述の既存手法では見出すことが困難なBGCを、遺伝子の進化的な解析を利用することにより見出すことを第一の目標とする。また、見出したBGCにより合成される天然物の発見とBGCの詳細な機能解析を酵素の構造解析や計算化学を用いることで精密に解析することを第二の目標とする。最終的には、本研究により得られた解析技術や知見を既存の手法と組み合わせることにより、より高精度でBGCを予知する技術の創出を試みる。